それもまた一つの選択
家に帰るとあちこちに電話を掛けた。
「お前ってさ、本当に一度決めたら話が早いよなあ」
隣で俺が電話でするやり取りを聞いていた高橋が感心したように呟く。
式の日程を決めて両家に伝えるのと同時に来週にも結納ではなくて両家の顔合わせをする事になった。
遥の家柄だと正式に結納が必要かと思ったが、そうすると式・披露宴が大きなものになってしまう、という遥のお父さんの意見を支持。
夕方の時点で神社に電話を入れたら9月、すぐに式が出来るという事なので予約を入れた。
詳細は明日の日曜に遥と二人で聞きに行って打ち合わせ。
「藤野、何焦ってるんだ?」
遥が一瞬、席を外した隙に高橋は俺に聞いた。
「焦ってる…か。まあ、確かに焦ってるけどね」
自分が取ったメモを再度見返す。
「明後日、俺はきっと…」
言おうとして、遥が部屋に入ってきたので会話を止めた。
高橋も何事もなかったかのように立ち上がって自分の部屋に入っていった。
あいつの、そう察してくれるところが本当に有難い。
翌日、朝から遥と二人で神社に向かった。
どうも今井家とゆかりのある神社らしく、話がトントンでまとまった。
全ての歯車が噛み合う、というのはこういう事を言うんだな。
本当に自分が動き始めた時、周りも凄い勢いで動き出す。
じゃあ…。
明日、俺の身に起こる事も全ては。
そういう運命であるのか。
絶対にこの世で達成しないといけない事柄なのか。
一瞬、孤独と不安が入り乱れた感情が俺を襲う。
今ならまだ引き返せる。
車の運転をしながらチラッと遥を見つめる。
ぼんやりと窓の景色を見つめていた。
引き返せば。
遥との未来も無くなる。
だから俺は前に進むしかない。
「お前ってさ、本当に一度決めたら話が早いよなあ」
隣で俺が電話でするやり取りを聞いていた高橋が感心したように呟く。
式の日程を決めて両家に伝えるのと同時に来週にも結納ではなくて両家の顔合わせをする事になった。
遥の家柄だと正式に結納が必要かと思ったが、そうすると式・披露宴が大きなものになってしまう、という遥のお父さんの意見を支持。
夕方の時点で神社に電話を入れたら9月、すぐに式が出来るという事なので予約を入れた。
詳細は明日の日曜に遥と二人で聞きに行って打ち合わせ。
「藤野、何焦ってるんだ?」
遥が一瞬、席を外した隙に高橋は俺に聞いた。
「焦ってる…か。まあ、確かに焦ってるけどね」
自分が取ったメモを再度見返す。
「明後日、俺はきっと…」
言おうとして、遥が部屋に入ってきたので会話を止めた。
高橋も何事もなかったかのように立ち上がって自分の部屋に入っていった。
あいつの、そう察してくれるところが本当に有難い。
翌日、朝から遥と二人で神社に向かった。
どうも今井家とゆかりのある神社らしく、話がトントンでまとまった。
全ての歯車が噛み合う、というのはこういう事を言うんだな。
本当に自分が動き始めた時、周りも凄い勢いで動き出す。
じゃあ…。
明日、俺の身に起こる事も全ては。
そういう運命であるのか。
絶対にこの世で達成しないといけない事柄なのか。
一瞬、孤独と不安が入り乱れた感情が俺を襲う。
今ならまだ引き返せる。
車の運転をしながらチラッと遥を見つめる。
ぼんやりと窓の景色を見つめていた。
引き返せば。
遥との未来も無くなる。
だから俺は前に進むしかない。