クリスマスツリーの前で
タイトル未編集
やわらかな朝の光が、窓辺に揺れる。


スズメが朝の訪れを知らせるように、鳴いている。


私、時田実桜(ときた みお)は、秋の朝の穏やかな静けさにまどろんでいた。


と、その時────




「キャ──────────ッ!!!」



女子高生たちの歓声が静かな町内に響き渡る。


斜め向かいの家に住む、幼なじみの榊 凌(さかき りょう)が門から出てくると、待機していた数十人の女子高生たちは彼を取り囲み、楽しそうに駅に向かって大移動を始めた。
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