クリスマスツリーの前で
気まずい空気を打ち消すように、私たちは笑い合って、絵の具を買いに店に入った。


まさか、その様子を偶然、凌ちゃんが見てたなんて、思わなかった……。




日曜日。


約束した時間に凌ちゃんの家に行くと、不機嫌そうな凌ちゃんが扉を開けてくれた。


先週は、あんなに爽やか王子様スマイルだったのに…?


凌ちゃんの後ろについて階段を上がり、凌ちゃんの部屋に入ると、いきなり壁ドンされた。


不機嫌な顔のまま、私をじっと見つめている。


「凌ちゃん、どうしたの?」

怒った顔もかっこいい……。


「俺が誰かにせまられてたら勉強が手につかないんだったよね?」
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