クリスマスツリーの前で
「私が、凌ちゃんが誰かにせまられてたら嫌だって言った気持ち、分かった?」


「……分かった」


凌ちゃん、私に嫉妬してくれたのかな。


そんなわけないか。


きっと、お兄ちゃんが妹を心配するような気持ち。


それか、受験生を心配する気持ち、なんだろうな。


凌ちゃんは、誰にでも優しいから。


期待なんかしないんだから。



「凌ちゃん、心配してくれて、ありがとう」

私が笑うと、


凌ちゃんは、悲しそうな顔をして、私を抱きしめた。

「凌ちゃん?」
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