クリスマスツリーの前で
休日の電車内は混んでいた。

凌ちゃんはドアのそばに私を立たせて、壁ドンスタイルで、私が人に押しつぶされないように、盾になってくれていた。

でも、凌ちゃんも人に押されて、私と密着状態に。


私、満員電車って、すごく嫌だったけど。

凌ちゃんと一緒だったら、嫌じゃない。

というより、

好き。



電車がすごく揺れて、こけそうになったから。

どさくさにまぎれて、凌ちゃんを抱きしめた。


ずっと、電車に乗っていたい。

このまま、降りる駅に着かなければいいのに。
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