クリスマスツリーの前で
私はすごく浮かれてて、約束の時間より1時間以上早く到着できるくらいに、家を出た。


思えば、これが失敗だった。


凌ちゃんとは近所なのだから、一緒に家を出て、一緒にツリーの前まで行けばよかったのに。


私は、よからぬことを企てている人たちがいることなど、予想もできていなかった……。



家を出て少し歩くと、後ろから強い視線を感じた。



立ち止まり、振り返ると、見覚えのある女の子たち。

凌ちゃんファンの女の子たちが10人くらい、私を睨みつけていた。



いつもは60人くらいの追っかけがいるから、今日はその一部。

50人のファンの子たちは、私に危害を加えようとは思わなかったようだ。
< 63 / 75 >

この作品をシェア

pagetop