虹のふもと
いつもと同じような、両親と星空の会話。


でも、いつもよりも短くて、気づくと星空の優しいの声が、僕の布団のすぐ上から降りそそいだ。



「太陽」





すぐそこから、星空が僕を呼ぶ声がする。



なんで、いつもは僕の部屋なんか来ないくせに、今日に限ってくるんだよ。


もう、誰とも話したくない。僕のことなんか、誰も知らなくていい。





そう思っているのに、なぜだか涙が溢れてきた。
星空にバレたくなくて、さらに深く、深く、布団の中に潜った。





















「ごめんね。太陽。」



星空は、僕にそう言って部屋から出ていった





なんで、星空が謝るんだよ。


わけがわからなくなって、とても悲しくなって、その日、一晩中泣いた。













< 18 / 77 >

この作品をシェア

pagetop