虹のふもと
「ただいま。」




玄関でそういったのは、



今年中学3年生の僕の二つ上の兄、



桜井 星空(さくらいかなた)だ。


僕はパーカーのフードを素早くかぶり、

おかえりと、小さな声で伝え、自分の部屋に行った。




「星空くん、おかえりなさい。
今日も部活大変だったでしょう?ご飯出来て るから沢山食べてね。 」

「星空、おかえり。
もうすぐ試合があるんだから、しっかり体を 休めろよ。」




さっきまで僕を殴っていた両親は嘘みたいに星空に優しく接する。



甘ったるい声で話す両親に吐き気がした。







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