虹のふもと
「5年前、小学1年のとき病気になったんだ。」
少しづつ話す僕を真っ直ぐに見て、
はるは頷きながら真剣に聞いてくれた。
「いつもみたいに、星空と公園でサッカーして
て、そしたら急に苦しくなったんだ。
そのまま倒れて病院に運ばれた。
けっこう長い手術したみたいでさ、
目が覚めて、医者に言われたのが激しい
運動はできないって。
その瞬間、全部が真っ暗になった。」
それから、手術したら治るかもしれないって
言われて手術したこと、
それでも、病気はよくならなくて、
「それで、サッカー辞めたんだ。」
って、はるに全部話した。
僕がまたへたくそな笑みを浮かべるとはるは
泣きそうな顔で僕を抱きしめて話す。
「大丈夫なサッカー、辞めなきゃいけなくて
辛かったよね。」
優しく君が言うから、弱虫な僕はまた泣きそうになる。
はるの肩に額をのせて、
少しだけ甘えてしまった僕は
本当に弱虫だ。