虹のふもと
「太陽。なんで言ってくれなかったんだよ」
膝を抱えて小さくなって俯く僕の前に
星空がしゃがんで話す。
何も言わないで、黙っていると、
「なんで、なんにも言ってくれないんだよ。
俺、おまえの兄ちゃんなんだぞ。
弟も守れないなんて、情けないよ。」
星空があまりにも悲しそうに言うから、
つい、顔をあげてしまった。
顔をあげると、星空の悲しみに満ちた瞳と
その瞳に映る自分と目があった。
僕ってこんなに苦しそうな顔してたんだ。
人事みたいに、そう思った。