虹のふもと
玄関のドアを開けると、父さんと母さんがでてきた。
ふたりとも、泣きながら僕に謝る。
「ほんとに、酷いことしてごめんなさい。」
「すぐに許すなんて無理だと思うけど
もう1度、やり直させてくれ。」
謝るふたりと僕のあいだに星空がはいる。
「俺にバレるまでやり続けるつもりだったわけ?」
またあの冷酷な声。
この時の星空は少し怖い。
でも、僕のことを思ってくれてるから
今は我慢する。
「なんて言っても言い訳にしか
聞こえないだろうけど、
ストレスを発散させるためにしてたんだ。
ほんとに、申し訳ない。」
「ひなたくんが抵抗しないからつい。」
それを聞いて、無性に腹が立って
「ふざっけんな。」
気づいたら、怒鳴ってた。
自分でもびっくりした。
でも、それだけ言ったらすっきりして、
父さんと母さんに向き直る。
「許したわけじゃないし、
今までのことがなかったことになる訳じゃ
ないけど、もっかい家族になろう。」
僕が笑うと、父さんも母さんも涙を流しながら笑った。
きっとこれから、白黒だった僕の毎日に色がつく。