虹のふもと





辿りついたのは、この街が誇る海岸。



もうひとつの





虹のふもとが







この場所だった。




幼い頃、はるにみせてもらった

見たことのない景色。


それが見える場所。


虹は僕を導いてくれた。



大切な宝物、はると


はるとみた見たことのない景色。



「きれい。」


キラキラと光る水面を見て眩しそうにはるが言う。

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『見たことのない景色、見せてあげるよ!

そうすれば私たち離れててもきっと思い出すから!』
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そう言って、僕に見せてくれた。

あの写真と同じ景色。






僕達は、お互い何も話さずに輝く水面を見つめていた。

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