虹のふもと
「ほんと、おそいよ。」
いつの間にかすっかり昇りきった朝日に照らされてはるがいう。
「昔はひなたって呼んでた。」
なんで、急にくん付に変わったんだよ。
「いきなり呼び捨てとかなくない?」
はるがちょっといたずらっぽく笑う。
「それ、僕のまね?」
ちょっと拗ねると、はるはふふっと楽しそうに笑う。
僕もつられて笑う。
「よかった。ひなたがまた笑ってくれた。」
はるが、本当に嬉しそうに言うから、
泣きそうになる。
はるにもぜんぶ話すことにした。