虹のふもと
「僕、両親から虐待されてたんだ。」
「うん。」
はるは、相づちをうって静かに聞いてくれる。
「はると別れて、ちょっとたった頃
病気になって僕に期待してた両親が
サッカーできなくなった僕なんか
もう必要ないって。」
「ひなたが辛そうなのって病気だけじゃなかったんだね。」
はるが、苦しそうにつぶやくから、
心が痛い。
僕が辛いって知ってたんだ。
「あのね。
ひなたと再開した日、ひなたが先に帰ったでしょ?」
「うん。」
「あの後、かなたくんに会ったの。」
そんなの初めて知った。
ふたりとも、何も言わないから。
「かなたくんは、すぐわかったよ私のこと。」
ちょっと拗ねてから、はるが話を続ける。
「そのとき、かなたくんに言われたの。」