虹のふもと
「『はるちゃん、太陽を助けてやってほしい
俺じゃ全部助けてやれないんだ。』
って言われたの。
ひなた、会った時ほんと辛そうだったから
昔と全然違ったから昔みたいになって欲しいって思ったの。」
だから、はるはあのとき昔はもっとキラキラしてたって言ったのか。
あの時の僕は夢もなくて、毎日が白黒だったもんな。
5年前、
はると別れて、
病気になって、
サッカーを辞めて
嫌なこと全部が重なったから
辛い毎日、現実を耐え抜くために
僕は楽しかった過去に蓋をした。
でも、
「僕、はると会って毎日楽しかったよ。
はるといると嫌なことぜんぶ忘れられた。」
僕の中でとても大きな希望だったんだ。
そう伝えると、はるは、優しく微笑む。
僕は、星空にもはるにも想われてたんだって
そう思ったら本当に涙が溢れてきた。
「もう、ずっと一緒だよ。」
はるは、震える声でそう言った。
「ありがとう。」
僕も涙を流しながらこたえる。