終わりのない恋
自制


私は朝方 まだ眠る竹下を残して部屋を出た。


家に戻って 湯船に浸かった。


「ふっ、ぅ。」


そして堪えていた大粒の涙が流れ出る。


恋愛して泣くなんて 情けない。


中学のとき 好きだった先生に

婚約者がいたことを知った時以来だろうか。


子供のころならまだしも、こんな年になって
泣いたって 可愛くないのは知っている。


もともと泣くような柄でもない。


自分にそう言い聞かせているのに、止まらない。


今日が休みでよかった。


泣いて 腫れた目で出勤なんてしたら

会社でなんて噂が流れるか分かんない。




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