終わりのない恋
「佐伯_____。」
何も言えなかった。
ごめんと謝ればいいのか。
それとも正直に話せばいいのか。
佐伯はどこまで知ってるんだろう。
全て知っているのなら 私を軽蔑するだろうか。
「悔しいけど お似合いだと思ったよ。
中島ってこの見た目で 寂しがりやだし 割と人たらしなところがあるっていうか。
1人で色んなもの背負っちまうから、息を抜ける場所があるんだって 少しの安心感さえ覚えた。」
ここで初めて気付く。
佐伯、今日は私の返事を聞きにきたんじゃないんじゃないかって。
「私のために手を引くってそう言いたいの?」
そう言いたくて 私を呼び出したんじゃないか?って。
「あぁ そうだよ。
別に悪いとか思うな?俺だってモテるんだ。
中島に似た美人を捕まえてやる。
混乱させて悪かったな。」
後輩とは別れてきたの!!
そう言おうとして、やめた。
それこそ ずるい女だから。
まだ竹下に気持ちがありながら 私のことを心から好きになってくれた人と付き合うなんて。