【完】『雪の都』

深雪の言葉に桜子はトゲを感じたのかも分からない。

「いや、別に」

何も変わってなさそうにも映る。

「桜子こそ、ちょっと雰囲気変わったような気がするんだけど…」

「えっ?」

「…男できたとかさ」

桜子は表情が固まった。

「その顔は、いないみたいだね」

深雪は急に明るくなって、

「お互い、男には気をつけなきゃね」

深雪はバッグからエプロンを取り出していた。



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