【完】『雪の都』

翌朝。

珍しく桜子のほうは早く目が覚めた。

夢を見たらしい。

すべて露見して結婚を許されず、薫と引き裂かれる悪夢である。

「…夢で良かった」

桜子はレースのカーテンから外を垣間見た。

雪はやんで青空がまぶしい。



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