【完】『雪の都』

銅テープを巻いた鏡と板ガラスを並べてゆくと、その継ぎ目にハンダをこてでつけてゆくのだが、

「このときこてが熱いんで、火傷しないように気をつけてください」

慎重に始まった接合であったが、次第に手際が分かってくると、

「何かもの作りって楽しい」

桜子はそれまでなかった、何やら久しぶりに高揚する気持ちをおぼえた。



< 11 / 192 >

この作品をシェア

pagetop