【完】『雪の都』

立ち話も何だから、と彩は桜子と近くのショッピングモールのカフェに行くと、取り敢えずはと紅茶を頼んだ。

「実はね、見たのがいるんだよね」

彩はメールに添付されてきたという写真を見せた。

「二人で温泉なんて行ってさぁ」

阿寒湖の温泉街か何からしい。

女は紛れもなく深雪である。

「うちのダンナは背が高いからすぐ分かるって、んで声かけようとしたら見たことない女が一緒で声かけられなかったって」

たまたま遭遇した彩の知り合いかなにかから送られて来たらしかった。

「で、確かたまにステンドグラスに来る女だったなって思って、桜子ちゃんなら知ってるかなって」

彩の勘は鋭いものがあった。



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