【完】『雪の都』

何か桜子は用意をしてあるようで、

「ただで行くわけには行かないからって言うから、花だけは準備した」

と言った。

「うちのオカン花好きやからなぁ、喜ぶんとちゃうかな」

で、と薫は、

「桜子のオカンって何好きなん?」

「ビーズ細工とか編み物とか、手芸はよくやってるよ」

「それならちょうどえぇ」

と薫はポケットから何やらごそごそと出してきた。



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