【完】『雪の都』
すると薫はニヤリとし、
「多分そうくるかなと読んでた」
というと反対側のポケットから別の袋が出てきた。
「まさか…?」
「まぁ、開けてみ」
桜子が開けると箱が出てきた。
箱を開けると指環が入っている。
「桜子の誕生日ってバレンタインデーやもんな」
「うん」
薫は桜子の手にあった箱を手に取ると、
「こうやって、プロポーズってするんやったっけ」
と桜子に膝まづいた。
ビックリするやら照れ臭いやら桜子は訳も分からず涙ぐんでいたが、
「…はい」
と頷いて受け入れた。
「まぁリーゼントで関西弁の王子様ってのも変やけどなぁ」
そう笑いながらも、薫の情の深い面を桜子は感じ取っていた。