【完】『雪の都』

どうやらうまくことが運んだらしいことには、桜子も薫も安堵をしたようで、

「良かった…」

と張っていた気が抜けたのか、桜子は途端にポロポロと涙を流した。

「もぅ、よう泣くなぁ」

薫がすかさずハンカチを出す。

「手間のかかる娘ですけど、どうかよろしくお願いします」

真奈美から改めて深々と頭を下げられると、薫も深くお辞儀をしながら、

「こちらこそ」

と礼を述べた。



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