【完】『雪の都』

薫はそこで、

「そういえば新しい先生は決まりましたか?」

と教室で御堂澤先生の後任になる先生を訊いた。

「たまにヘルプで来てる高橋先生が来ますよ」

「高橋先生?」

「あ、ほとんど土曜日は来ないから、高梨さんは知らないかも」

「はぁ」

「ベテランの男の先生だから大丈夫」

御堂澤先生とはその新しい先生の話になって、しばらくその話をしていたが、

「御堂澤先生」

呼ぶ声がしたので先生は離れた。

しばらく話に間があいたので、これで終わるかに見えたが、入り口に目をやると明らかにまずい人がいた。

深雪である。

御堂澤先生を呼んだのは、深雪であったらしい。



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