【完】『雪の都』

桜子が南小樽の駅に着いたのはすでに昼近くで、

「もしかしたらお腹が空くかもしれないから」

といったような理由でコンビニで買ったサンドイッチとコーヒーを、駅のベンチで手早く食べて腹を埋めた。

朝の雪は止んでいて、二月らしいまぶしい陽射しが雪に照り返されて、ひときわ町は明るかった。



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