【完】『雪の都』

やがて。

住吉神社の停留所で降りると、信号が変わるが早いか、薫は鳥居前の坂をかけ降りてゆく。

子供の頃、初詣で歩き慣れた坂道に、まさかこんなかたちで再び立つことになろうとも薫は思いもよらなかったようであったが、

「間に合うかなぁ」

そういうと、高校の交差点を渡った先の病院を目指した。



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