【完】『雪の都』

病院の正門に薫が着くと、

「薫さん!」

桜子のほうが少しだけ早かったらしい。

「オカンは?」

「とりあえず早く!」

まだ大丈夫らしい。

桜子と薫はあわただしく階段をかけ上る。

個室の病棟のいちばん隅にある、オカンの病室のドアを開けた。



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