【完】『雪の都』

この同じ時期。

薫と桜子は美園に新居を移して同棲を始めていたが、そこへ彩と大輔が訪ねて来た。

「なんやかんやでヨリ戻したんだよねー」

近く夫婦で函館へ転勤になるのだ、という。

「函館かー」

「特急で三時間ぐらいだから大丈夫だって」

「まぁくれぐれも、喧嘩のないように仲良くしてや」

薫が言うと、

「薫ちゃんこそ、お母さん亡くしたから気落ちしてるだろうけど、無理しないようにね」

「おぅ」

「桜子ちゃん、ちゃんと見張ってね」

「はい」

桜子は笑顔で返事をした。

「それにしても桜子ちゃんがいてくれたから、例の深雪ちゃんの件もなんとかなったし」

大輔と深雪の関係は、深雪に新しい彼を紹介してはどうかという桜子のアイデアを彩が採用し、おかげで円満に解決をすることが出来たようであった。



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