【完】『雪の都』

ところが、である。

この圭の逮捕で、桜子の心中に引っ掛かっていたわだかまりのようなものが全て繋がった。

「もしかして…」

桜子は自分のせいで圭が詐欺に手を染めたのかも知れないと考えると、とたんに気持ちは沈んだ。

しかしそれは。

「あー、結局うちは何の役にも立ってへんのやな」

と薫が感じる切っ掛けにもなった。



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