【完】『雪の都』
納骨も終わって札幌駅まで戻ると、薫は桜子に連絡を取った。
珍しく薫から電話が来たので桜子は慌ただしくやってくると、
「桜子はさ、うちが関西に戻りたいって言うたら、どないする?」
急な質問に桜子は戸惑い、答えはすぐに出なかった。
「まぁ急に訊いたから、そんなすぐに答えなんか出えへんわな」
薫はいつもの屈託のない笑顔に戻ると、
「これからのこと、考えなあかんからさぁ」
そう言うと桜子と手を繋いだ。