【完】『雪の都』

駐車場にバイクを停めると、薫と桜子はとりあえず参拝を済ませた。

平日の境内は人も少なく、地元の幼稚園児たちが引率されて来ているらしく、ちらほら咲き始めた桜の下で邪気もなく遊んでいる。

「薫さんは子供ほしい?」

「桜子みたいな美人の娘がえぇなぁ」

この頃にはいつもの笑わせる薫が戻ってきていた。



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