【完】『雪の都』

そう、と澪は、

「なんかしあわせそうで良かった」

「相変わらずやな」

「お幸せにね」

「澪もな」

子供たちにうながされるように、澪は朱塗りの鳥居が並ぶ石段を降りて行く。

桜子は黙っていたが、

「…澪さん、きれいな人じゃない」

「でも浮気されてから関係グッチャグチャなったからなぁ」

そのときの話は薫から聞いている。



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