【完】『雪の都』

それだけに。

再会をしてもどこか薫は澪に対し一歩引いていたし、

「むしろ桜子がいてくれて助かった」

とも薫は言った。

「でもなんであいつ、ここ知ってたんやろか」

あいつ住んでるの清田なんやけどな、と薫は首を傾げたままであったのには、桜子にはユーモラスにすら映ったらしく、

「まるでコントみたい」

そう言うと桜子はクスクス笑い出した。



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