【完】『雪の都』

《6》


連休が明けると、例のステンドグラスのエントリーの締め切りがあって、薫は家の形をした小さなランプを出展した。

「まぁ参加賞のティッシュでももらうつもりで」

薫らしい照れ隠しではあったが、桜子は薫の配色がシンプルであるところに、ある種のいさぎよさを感じていたらしい。

搬入の帰り、薫は桜子と待ち合わせて地下鉄に乗った。

「そろそろ籍も入れなあかんなぁ」

などと雑談しながら美園の駅の改札をくぐった。



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