【完】『雪の都』


でも、と桜子は、

「うちの部屋あるの手稲だよ?」

「そんなんいうたら、うちかてアパートあるの新川や」

まるで方角が違う。

「バイクならなんぼ走ったかて同じや、はよ乗っとけ」

薫の言うまま桜子が後ろに座ってヘルメットをつけると、薫はスロットルを開いた。



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