【完】『雪の都』
その帰路。
地下鉄の改札をくぐろうとしたときである。
「…」
桜子は少しふらついた。
ちょうど巡回をしていた駅員が、
「大丈夫ですか?」
と声をかけた。
「すいません、大丈夫です」
とは言うものの、桜子の顔からは血の気が失せている。
「救急車、今から呼びますから」
そういうと駅員は事務室へ桜子を介抱しながらつれて行く。
ほどなく救急隊が来て、
「これはちょっと、めまいか脳梗塞か検査をした方がいいかも知れないですね」
そういうと桜子を担架に乗せ、地上にある救急車へと向かった。