【完】『雪の都』

その帰路。

「あの、薫さん?」

「ん?」

薫は振り向いた。

「薫さんって…彼女いるんですか?」

「こないだまでおったけど、えらいひどくフラれてやなぁ」

薫は笑いながら言った。

「別に好きな人が出来たんやて」

「そうなんですね」

「まぁ彼氏らしいことしてやれんかったんかなって」

東橋が見えた。



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