【完】『雪の都』

東橋の停留所に来ると、ほどなくバスが来た。

「あの、薫さん」

「ん?」

乗り込むと後ろの二人がけに並んで座った。

「私も…下の名前でいいですから」

「うち、鶴岡さんしか知らんで」

「あ、桜子です」

「かわいらしい名前やん、なぁ」

互いに携帯電話を取り出すと、それぞれの連絡先を交換しあった。



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