【完】『雪の都』

札幌駅に着くと、

「あ、せや」

「?」

桜子は首を軽くかしげた。

「今度…買い物つきあって欲しいんやけど」

少し考えてから桜子は、

「いいですよ」

と快諾した。

「うち、よう女の子の気持ちって分からんから、いったいどないしたもんかなって」

「…えっ?」

「うちのいとこに小学生の娘がおるんやけど、クリスマス近いから何か下見しとかななって」

どうやらプレゼントの下見らしい。

桜子は笑顔になると、

「薫さん、子供好きなんですね」

「おってもおかしくない年齢やからなぁ」

改札を潜ると桜子は小樽行、薫は教大行の電車へそれぞれ離れた。



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