【完】『雪の都』

店を出ると、

「ね、今度は私の買い物もつきあってもらっていい?」

薫は、いつも桜子が来るという本屋に一緒に寄った。

桜子は本を読むのが好きであるらしい。

「私ね、よくここでいろいろ眺めてるんだ」

桜子が足を止めたのは写真集の棚である。



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