【完】『雪の都』

駅での別れ際、

「桜子ちゃん、たまにこうしてつきあってもらってもえぇ?」

「うん」

「仮に彼氏さんおるなら、なるだけ邪魔ならんようにするで」

「大丈夫、私もいないから」

「…えっ?」

薫は目を丸くした。

「実はね」

言いかけた瞬間、

「あ、桜子ーっ!」

駆け寄ってきたのは深雪である。



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