【完】『雪の都』
ともあれそうした経緯で桜子は関係を解消した訳であったが、しばらくすると次は、
「君は不倫をしていたそうじゃないか、契約の更新はふさわしくない」
と、次回の更新がないことをそこで桜子は知った。
「もう副所長とは関係ありません」
桜子は弁明をしたが、
「これ以上逆らうと解雇になるよ」
素直に更新なしで退職金をもらったらどうか、という折衷案のようなもので、桜子は花火大会の二ヶ月後には失業手当てをもらうことになっていったのであった。