【完】『雪の都』

札幌駅に着いた。

地下街への階段を降りると、

「今日はちょっとお酒が飲みたいなって」

と桜子が珍しく言うので、地下街の居酒屋に入った。

「とりあえずうちは酎ハイ、桜子ちゃんは?」

「私は…カルアミルク」

「あとフライドポテトね」

手早く注文を済ませると、ほどなく付き出しのお浸しが来た。

「ごめんなさいね、なんか」

「…元彼か何かか?」

薫は気づいていたらしい。



< 45 / 192 >

この作品をシェア

pagetop