【完】『雪の都』

ひとしきり世間話や互いの身の回りのことを話し、小一時間ばかり飲んでから、桜子と薫は駅の改札をくぐった。

「今日はありがと」

「いやいや、うちで役立つなら用心棒ぐらい安い用やから、気軽に言うてや」

「…薫さんって、優しいね」

「おぉきに」

「じゃ…またね」

「おぅ、気ぃつけて帰り」

それぞれ別のホームへ、この日は別れた。



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