【完】『雪の都』
大通の駅で深雪と別れ、札幌駅に抜ける地下の通路を桜子が歩いていると、前方に薫を見かけた。
声をかけようとした。
が。
隣にはロングヘアーのすらりとした美女が並んで歩いている。
手を繋いでいないので恋人ではなさそうであったが、ただの友達という感じでもなさそうで、
「…薫さん、モテるから」
いつも薫の周りは女友達が多いことを聞き知っていた桜子は、親しい女友達なんだと自身に言い聞かせながら、札幌駅まで後を歩いた。