【完】『雪の都』
パンフレットをさらっと流すように目を通しながらも、
「ステンドグラスねぇ」
あまり興味のなさそうな桜子に、
「今度、体験教室の申し込みしようかなって思ってるんだけど、一人じゃつまんないし、桜子ならどうかなって」
「…まぁ付き合うぐらいなら」
「じゃあ申し込んどくね」
二千七百円の体験というのは失業中の桜子には痛かったが、深雪の手前言いづらかったので、桜子は母親に援助してもらって行くことになった。