【完】『雪の都』

信号は赤である。

「あ、これ…桜子ちゃんにどうかなって」

紙袋を渡した。

「会場着いてから開けていい?」

「えぇよ」

信号が変わった。

百貨店の角を折れて信号をさらに渡ると会場のホテルが見えた。

入ると案内係の、

「二十三階のフロアです」

という声に促されるまま、エレベーターで登った。



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