【完】『雪の都』
座席はいくつかの円卓になっている。
互いに知った顔が少なかったのもあって、桜子と薫は隣どうしに座った。
「なんか場違いな服やったかなぁ」
そう言いながらも、薫はグレーのチノパンにピンクのシャツ、ネクタイはネイビーのコットンのネクタイを締め、、グレーのブレザーを羽織っていた。
桜子も黒のスニーカーに紺のデニムのロングスカートといった点では変わらない。
「うち、ブルーカラーやからなぁ」
薫は頭を掻いた。