【完】『雪の都』
三連休の土曜日、菊水の駅で待ち合わせた桜子と深雪は、地図に示された道順をたどりながら少し歩いて、教室があるログハウスの建物を見つけると階段を登ってドアを開けた。
「すいません、体験を申し込んだ長野です」
深雪が言うと、
「あ、二名ご予約の長野さんですね」
出てきたのは黒いエプロンをつけた若い女の先生であった。
「担当の御堂澤(みどうさわ)です」
名札には御堂澤愛とある。
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